派遣社員の将来性

ITエンジニアの中には、派遣社員として働く人もいる。
さらにIT業界特有の働き方として、客先常駐という派遣方法もある。

客先常駐は自社で正社員として雇用されているのでボーナスなどは出るだろうが、実際の働き方は派遣社員と変わらない。
派遣社員はあくまでも派遣先に使われる立場のため、開発の指揮を執ることやスケジュール管理などの業務を任されるケースは少ない。
派遣先の指示に従って業務をこなすのが大事になるので、スキルアップは難しいのが現状だ。

それに加えて労働派遣法が改定され、原則同一の派遣先及び同一業務での就業期間は最長3年となった。
この改定によって、年齢を重ねるごとに働き口が減っていくというデメリットがさらに促進してしまった。
契約終了後、次の派遣先に行くと新人扱いになるが、派遣先が雇いたいのは年齢が低い新人である場合が多いためだ。
さらに自社で開発業務を行わない中小企業や派遣会社は、事業撤退する可能性も高まっている。

しかし雇用安定化措置が図られるため、優秀な人材は派遣先から直接雇用されるチャンスが増えるだろう。
もしかすると、多様なプロジェクトに参加できるようになるかもしれない。
派遣社員のままであっても、派遣会社側がスキルを身に付けられるよう様々なサポートを行う可能性も出てきた。
中小企業や派遣会社が経営統合し、ITエンジニアにとって働きやすい環境に変わってくる可能性も考えられる。

これからITエンジニアを目指す人は、業界の動向に敏感でいつつ、しっかりと将来設計を描く必要がある。
それを踏まえた上で、自身がエンジニアとして活躍し続けることができる働き方を選択すると良いだろう。